NAD+の減少と前駆体NMNで摂るべき理由

●NAD+の減少について
1. 30代から減少開始:
NAD+のレベルは30代から徐々に減少し始め、40代以降で顕著な減少が見られます【参考: Yoshino, J., et al. 「NAD+中間体:NMNとNRの生物学と治療の可能性」細胞代謝、2018年】。
2. 50代で突然減少:
50代に入るとNAD+レベルはさらに大きく減少し、この頃には若年期と比べておおよそ50%程度まで減少する可能性があります【参考: Braidy, N., et al. 「ウィスターラットにおけるNAD+代謝、酸化ストレス、およびSIRT1活性の加齢関連変化」 PLOS ONE、2011年】。
3. 60代以降の顕著な低下:
60代を過ぎると、NAD+レベルはさらに低下し、加齢に伴う様々な健康問題に寄与する【参考:Massudi, H., et al. 「ヒト組織におけるサーチュイン活性、NAD+代謝、酸化ストレスの加齢に伴う変化」 PLOS ONE、2012年】。
●NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は、細胞内の重要​​な代謝過程で伝達する補酵素ですが、経口摂取が困難であるとされています。その主な要因が当てはまります。
1. 分子が不安定
NAD+ は分子構造が複雑であり、胃酸や消化酵素に対して非常に脆弱です。これにより、経口摂取された NAD+ は消化管内で分解されやすく、吸収される前に効果が失われます【参考: Bogan, KL、Brenner, C.「ニコチン酸、ニコチンアミド、ニコチンアミドリボシド: ヒトの栄養における NAD+ 前駆体ビタミンの分子的評価」 【Annual Review of Nutrition, 2008】。
2. 吸収されにくい
経口摂取されたNAD+は腸内で効果的に吸収されないことが知られています。NAD+はそのままの形では細胞膜に耐性がなく、体内で利用するために分解されるか、変換される必要があります【参考文献: Trammell, SA, & Brenner, C. “NAD+代謝: 経路、調節、および治療の可能性” 【Annual Review of Biochemistry, 2013】。
● 前駆NMNで摂るべき理由
体内に取り込まれたNAD+は、すぐにニコチンアミドやアデニンヌクレオチドに分解されるため、直接的なNAD+の補充としては効果が薄いです。そのため、NAD+自体を経口摂取するよりも、体内でNAD+に変換されやすい前駆体(例えば、NMNやNR)を摂取する方が効果的です【参考: Mills, KF, et al. 「ニコチンアミドモノヌクレオチドの長期投与は、マウスの加齢に伴う生理学的衰退を緩和する。」 Cell Metabolism、2016年】。
NAD+の前駆体であるNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)やNR(ニコチンアミドリボシド)は、経口摂取後に腸内で効果的に吸収され、体内でNAD+に変換され、NAD+のレベルを有効にすることができます【参考: Yoshino, J., et al. 「 NAD+中間体:NMNとNRの生物学と治療の可能性 Cell Metabolism、2018年】。
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