経口摂取されたNAD+は腸内で効果的に吸収されないことが知られています。NAD+はそのままの形では細胞膜に耐性がなく、体内で利用するために分解されるか、変換される必要があります【参考文献: Trammell, SA, & Brenner, C. “NAD+代謝: 経路、調節、および治療の可能性” 【Annual Review of Biochemistry, 2013】。
● 前駆NMNで摂るべき理由
体内に取り込まれたNAD+は、すぐにニコチンアミドやアデニンヌクレオチドに分解されるため、直接的なNAD+の補充としては効果が薄いです。そのため、NAD+自体を経口摂取するよりも、体内でNAD+に変換されやすい前駆体(例えば、NMNやNR)を摂取する方が効果的です【参考: Mills, KF, et al. 「ニコチンアミドモノヌクレオチドの長期投与は、マウスの加齢に伴う生理学的衰退を緩和する。」 Cell Metabolism、2016年】。
NAD+の前駆体であるNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)やNR(ニコチンアミドリボシド)は、経口摂取後に腸内で効果的に吸収され、体内でNAD+に変換され、NAD+のレベルを有効にすることができます【参考: Yoshino, J., et al. 「 NAD+中間体:NMNとNRの生物学と治療の可能性」 Cell Metabolism、2018年】。